ドームポートの親水剤を比べてみた
水中カメラでワイド撮影をする際に欠かせないのが、広角単焦点から広角ズーム、フィッシュアイレンズといろんなレンズに共用できる「ドームポート」です。
ドームポートにはガラスやアクリル、サイズの大きいものや小さいものまで様々な種類がありますが、それぞれのメリット・デメリットや親水剤についてお話していきましょう!
ドームポートの種類とそれぞれの特徴
- 【ガラス製】表面にコーティング処理あり。キズが付きにくい。高級感がある。重たい。価格が高い。キズが付くとレンズ交換が必要。
- 【アクリル製】コーティング処理なし(例外あり)。キズが付きやすい。軽い。価格が安い。ある程度のキズは研磨ができる(当店で)。
基本的な違いはこんなところです。もう少し細かくお話すると、コーティング処理していれば透過性光の減少を抑え、面反射によるゴースト、フレア減少を抑制する効果があります。またアクリルではあるあるのレンズ先端の白い文字やレンズの縁(フチ)が内側に写り込んでしまう減少も抑制できます。
アクリルでもシーアンドシーのアクリル製ドームポート「ユニバーサルドームポート210/ARII」はコーティング処理されているのでガラスと同じような効果が追加されたアクリルドームになります。Nauticamでも使用できるように変換マウントが付属していますので、シーアンドシーとノーティカムのハウジングで使用することができちゃいます。
そしてドームポートには材質の違いの他に、外径の大きいものと小さいものがあります。簡単に言いますと
【大きいもの】高価。重たい。汎用性が高い。半水面が撮りやすい。
【小さいもの】軽い。汎用性が低くなる。半水面が撮りにくい。
という感じですが、サイズに関しては「何を重要視するか?」の優先順位を決めて選ぶと良いと思います。ちなみにですが、アクリルで大きいサイズですと浮力が大きくてバランスが悪いというデメリットもあります。
そんな私はいろいろ使った結果、いまは「ATNA200ガラスドーム」をメインで使用し、ちょっとコンパクトな方がいいかな~という時は「オプティカルドームポートII 165」にしています。
ここでいきなり結論を申し上げますと、ご予算が許されるのならガラス製のドームポートをおすすめします!サイズは使用用途や優先順位で決めてください!
そして!ドームは大きければ大きいほど画質が良いというわけではありません。レンズとの相性が重要ですので小さいドームとの組み合わせの方が良いということもあります。
まあ、じゃあこのレンズだとどっちがいいの!?と聞かれてもわからないので困りますので、各メーカーのシステムチャートをご参照ください(笑)
親水剤について
ドームポートは半水面が撮れるというお話をしましたが、半水面撮影をする時に気になるのが表面に着いている水滴です。これをサラッと流すために使用するのが「ポートドライ」という親水剤です。これをポート表面に塗っておくと水を弾いて流してくれます。ちなみにですが、撥水剤はよく車の窓ガラス用で使われて水が粒状になってガンガン弾いてくれて気持ちがいいですが、ドームポートには粒状になる撥水剤より、そのまま流れていく親水剤がおすすめです。
そこでこの前、新品のガラスドームに市販品の「クリンビュー ビッグ&ビッグアルファ」と「キイロビン ミラクリア」を使い比べてみました!方法は、真ん中にテープを貼って、その両側にそれぞれの親水剤を使ってみるというものです。これで塗ったところと真ん中の何も塗っていないところを比べてみよう!という作戦です。
真ん中にテープを貼って、それぞれ使い分けて添付。
ミラクリアは油膜取りに研磨剤が入っているのであまり強くこすらないようにかる~い力で油膜を取ってから、浸水剤を塗り塗り。
クリンビューは研磨剤が入っていないようなのでそのまま塗り塗り。
果たしてその結果は!?
動画その1
動画その2
動画観れましたか?うまく観れなかった方に結果をご報告しますと・・・違いが全然わかんね~~!!!笑。
新品ドームだったからなのか、全面良く親水してくれてました。どないやねんwww
ということで親水性がなくなってきたらまた試してみよっかな(笑)
まとめ
個人的には大きすぎず小さすぎないガラスドームがおすすめです。また、ハウジングでも同じですが海水が着いたまま放置しているとヤケて取れないシミになってしまうので、使用後は必ず水分を飛ばしてから保管してください。特にアクリルはキズが付きやすいのでタオルなので撫でるように拭き取るのも厳禁です。できれば吸水性の高いタオルで吸い取って、ブロアなどのエアで水分を完全に飛ばしてしまいましょう。また、ドームカバーも濡れているのでカバーも乾かしてから装着して保管するようにしてください。
最後に、ワイドはどうしても画面の四隅がボヤッと流れてしまいますが、これは絞り値を絞る(高く)することでマシになりますので、開放で撮影している方は絞ってみることもお試しください(^^)
ご一読ありがとうございました!!